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子どもに語る アジアの昔話〈2〉 [昔話]

パキスタン 王さまとオンドリ
王様の領地を管理していたオンドリは、労賃に耳にはいるだけの小麦をもっていっていいといわれたので、ひとつぶのこらず耳にいれて、遠い国の王様のお姫様に結婚を申し込むために旅にでます。
途中キツネ、オオカミ、ハイエナ・ライオンにあって、みんな耳にいれていきます。
遠い国の王様は姫に結婚を申し込むとは無礼だと、オンドリを動物小屋に放り込みますが、鶏小屋ではキツネが、羊の囲いではオオカミが、ロバのおりではハイエナが、王様の前ではライオンが耳からでてきて助けてくれたので、とうとう王様はオンドリに頼んで姫と結婚してもらうことにしました。

ラオス 小石投げの名人タオ・カム
足が不自由で歩けないタオ・カムは両親もないので親切な人に食べ物をわけてもらって暮らしていました。一日中同じところにいて暇なので小石をなげて的にあてるのが上手になりました。村の子どもたちが小石をもってきてくれるのでどんどん練習して、とうとう木の葉に動物の形の穴をあけて、影絵を楽しめるほどになりました。
王様がこの芸をみて、宮殿にタオをつれていき、会議でしゃべりすぎる大臣をだまらせるため、物陰から大臣が何かしゃべろうとするたび土のつぶを口に放りこませました。そして会議が終わった後、他の大臣の報告を聞くことができたといったので、大臣はしゃべりすぎていることに気が付きました。タオ・カムはお城で不自由なく暮らしました。

インドネシア お米の話
大神さまが宮殿をたてるので石をもってくるように神々に命じました。しかしヘビの神は石を運べません。涙をながすとそれが3つの卵にかわりました。ヘビは石の代わりに卵を持って行こうとしますが途中で2個わってしまい、ここから生まれた豚は牛に育てられ、レンブ・グラマンという魔力を持った大牛の弟分になりました。
残った卵からは美しい女の子が生まれ、デビ・スリと名付けられ大神さまの宮殿で大事に育てられました。デビ・スリは美しいだけでなく気立てもよく誰からも愛されたので、神々は大神さまがデビ・スリと結婚したいといいだすのではと心配しました。デビ・スリは養女なので娘と父親が結婚すると世界が破滅すると考えられていたからです。神々は果物に毒をもってデビ・スリを殺しました。
デビ・スリの墓からは米が生えたので、大神さまは米をパジャジャランという国の王に与え、育て方や食べ方を教えましたので、パジャジャランは豊かになりました。
しかしよこしまな商人が、米を買い上げようとしました。パジャジャランの王は天からの贈り物を売れないと断ったので、商人はレンブ・グラマンに頼んでパジャジャランの田んぼをあらさせました。神々はスランジャナという若い神を送って両者が戦い、人々味方したこともありスランジャナが勝ちました。それからというもの、レンブ・グラマンと二匹の豚は田んぼを守る役目をはたすようになり、田んぼはあらされることがなくなりました。

バングラデシュ ジャッカルとワニ
ワニには7匹の息子がいました。なんとか教育をつけてやりたいと思い、学者と呼ばれているジャッカルのところで勉強させることにしました。しかしジャッカルは子どもたちを1日1匹づつ食べてしまい、そのまま遠くに引っ越してしまいました。
ワニはジャッカルに復讐しようと辛抱強くまちました。やっと水辺にジャッカルが来たので足をくわえますが、ジャッカルが「ぼくのステッキをはなしてください」といったので、本当の足をくわえようと放してしまい、逃げられてしまいました。その後も木苺の木の下で待ち伏せしているのを見抜かれたりうまくいきません。
しかし森に食べ物がなくなってきた時ジャッカルは警戒していた川辺にカニをとりにきました。ジャッカルの匂いをかぎつけたワニは尻尾にくいつきます。ジャッカルは「ぼくのあみをはなしてくれよ」といいますが、ワニは今度はだまされず水にひきずりこんでジャッカルを溺れさせたのでした。

ネパール ひょうたんが行く
女が嫁にいった娘に会いにいくために森を通り抜けようとすると、キツネに会いました。キツネは女を食べようとしますが、女は帰り道では自分はもっと太っているので、その方がいいと説得します。同じようにトラとサルの王様も説得して森を通り抜け娘のところでひと月を過ごします。そして帰りはひょうたんの中に入って森を通り抜けようとしますが、キツネにみやぶられて捕まってしまいます。女は蒸し焼きにするなら薪が灰になってからがいいと説得し、灰の上におかれた石にのると灰を獣たちの目にまきちらして逃げてしまいました。

スリランカ ヒョウとトカゲ
ヒョウがトカゲを捕まえて食べようとすると、トカゲはヒョウと戦うといいます。そこで3か月後に戦うことにしました。トカゲは毎日田んぼで泥を体につけてオオトカゲになりました。戦いのときも泥にまもられてヒョウが打ち付けてもダメージをうけません。そしてヒョウの体のあちこちにかみついたので、ヒョウは逃げ出しました。
ヒョウが木の下で休んで独り言をいっていると、木の上のきこりが聞いて、ヒョウがトカゲにまけたのがおかしくて笑ってしまいました。ヒョウは秘密をしられたので木こりを殺そうとしますが、きこりは誰にもいわないと見逃してもらいます。しかし家でも様子がおかしかったので、とうとう妻に話をしてしまいました。煙突でこの話を聞いていたヒョウは、木こりを殺すため夜中にベッドごと木こりを森に運びます。目を覚ました木こりはとっさに「トカゲがねらっている」といったのでヒョウはびっくりして遠くの森に逃げていってしまいました。

タイ マカトのたから貝
モーンの国のマカトはみなしごで、自分で一生けん命働いて暮らしをたてていました。よく働いたのでみんなマカトをはたらきものだといいました。
ある日マカトはスコタイの国に旅にでて、運試しをすることにしました。
スコタイの国で王様のゾウ使いの妻に助けられ、ゾウの世話をすることになりました。ある日王様がゾウをみにやってきてマカトに声をかけてくれました。王様が落としていった1枚のたから貝をマカトはもらいました。
たから貝はお金になりますが、価値はわずかしかありません。マカトは市場で種と交換してもらうとしますが、相手にされなかったので、指を種につっこんでくっついて来た分だけと交渉して、ようやく種を手にいれました。ゾウ使いの家の庭をかりて青菜をつくり、それを王様に献上してたから貝の話をすると王様はマカトの勤勉なのに感心してとりたててくれました。その後大臣になり、王様の娘と結婚してモーンの国を治めるようになりました。

ベトナム 大うそつき
おおうそつきの少年がいました。育てていたおじさんとおばさんは、あんまりウソがひどいので少年を籠にいれて川に放り込むことにしました。少年は「最後にウソの付き方という本をとってきてほしい」と二人を騙して追い払い、通りかかった目の見えない男をだまして逃げてしまいました。しかし逃げ込んだ竹やぶで金のつまったツボをみつけ、一家は金持ちになって暮らせるようになりました。
おじさんとおばさんは、よいお嫁さんがあればうそをつかなくなるかもと結婚させましたが、しばらくはよくなったものの、またうそをついたり人を騙したりするようになりました。
ある日森でトラの子をみつけ、いたずらで前足をおります。親がとんできて木の葉を前足にぬると、あっという間に足は治ってしまいました。うそつきはこれをみて、その木をもちかえり大切にしました。しかし、夫婦げんかをしたとき妻が木の根元にゴミをまいてしまい。木は空中にうきあがります。そして木を止めようとしたうそつきをつれて月までいってしまったのでした。

ミャンマー 四つの人形
人形つかいの息子アウンは運試しのたびにでました。父親は4つの人形をつくってくれました。人形はアウンが尋ねると知恵も力も授けてくれました。アウンは人形の力である隊商の荷物と、残されていた隊商の隊長の娘マラをてにいれます。なんでも手にはいったアウンですが、マラはアウンを許さず口をきいてくれません。何年か後マラの父親が訪ねてきました。マラは父親から奪ったものを返してほしいとアウンに頼みますが、人形が反対して言い争いになっている間に、マラと父親はでていってしまいます。絶望したアウンはそれまで助言をもらっていなかった隠者の人形に助言をしてもらい、宮殿の暮らしをすてて托鉢僧になりました。そしてマラと父親に会い許しを請うと、一緒に宮殿にかえりました。助言をくれた四つの人形の像をたてて祀りました。

パキスタン お百姓のおかみさんとトラ
お百姓さんが畑を耕しているとトラがあらわれて牛を食わせろといってきました。お百姓さんは牛の代わりに妻の乳牛を食べさせると約束してしまいます。家にかえって妻にいうと妻は猛烈におこって自分が対策を考えるからと夫を先に畑にかえします。そして馬にのって男のふりをして畑にいって大声で「トラが食べたい、トラをみつけたい」といいました。トラは驚いて逃げていきました。途中ジャッカルにぶつかりました。ジャッカルが妻の変装をみぬきますが、トラは半信半疑です。2匹は尻尾を結んで畑に引き返し確かめてみることにしました。お百姓さんはあわてましたが妻はおちついたもので、2匹に声が聞こえるくらいの距離になると「ジャッカルさん、太ったトラをつれてきてくれてありがとう。今すぐ骨をあげますからね」といいました。トラはびっくりして走り出したのでジャッカルはあちこちにぶつかって死んでしまい、トラは二度と戻ってきませんでした。

フィリピン タオの物語
空と大地が近いとき、たったひとりの人間タオという若者はヤシの葉で作った小屋にすみ、夜には月のランプをつけて星のベルトをまき、昼には太陽のランプをつけていた。寝る前にには空と大地と一緒にギターで歌をうたった。3人は仲良くしていたが、ある日ケンカをした。
米つきをしていたタオはつらい仕事にうんざりしたといった。空と大地が「それはお前に仕事ではないか」といったのでますますいらいらして、杵を空や大地にぶつかるくらい振り回した、そしてランプやベルトを投げ捨てた。ひどい混乱がおき、杵でつきあげたので空と大地は次第にわかれていった。
タオは後悔したが、ランプも空も大地も戻ってこなかった。タオに残されたのはギターとうすと杵だけだった。

インド 白いゾウ
王様の庭の庭師シャンカルは夜の庭で白いゾウをみます。それは天のゾウでした。シャンカルはゾウが天にかえるとき尻尾につかまって天の国にいき、楽しくすごしてお土産に果物をもってかえりました。妻には口止めしましたが、妻はだまっていることができず、天国のことが近所の人にしられてしまいました。
みなが天国にいきたがったので、みんなで順にゾウの尻尾につかまった人間につかまって天国にいくことになりました。うまく浮き上がったものの、途中で下の人が果物の実の大きさをきいたので、シャンカルはそれを両手で表現しようとして尻尾を放し、みんなは地上におちてしまいました。

スリランカ 五つのだんご
嫁いだ娘のところへやってきた男。下の娘は家柄しかない貧乏な家に嫁にやられて父親を恨んでいたのでつっけんどんでしたが、上の娘は金持ちと結婚して裕福だったので、甘い米の団子をつくって父親をもてなしました。父親はその料理がきにいって名前をわすれないように「あまいこめのだんご」と繰り返しながら歩いて帰りました。忘れないうちに急いでかえろうとして石に足をぶつけ「あーまいったこりゃいたた」になってしましました。
家に帰っても妻には料理の名前がわかりません。近所の人の口添えでやっと料理の名前がわかり、妻は甘い米の団子を5個つくりました。
しかし、どっちが三つ食べるかにもめて、先に口をきいた方が二つ食べることになりました。二人とも口をきかず何日もたちました。近所の人が心配して見に来ると二人とも弱ってベッドからおきれなくなっていました。二人が死んでしまったと思ったので葬式を出そうとすると、土を掘るシャベルが旦那さんの足にあたり、旦那さんはおもわず声をあげてしまいます。すると妻が大声で「私が3つもらう」といったのでした。

イラン ドシュマンとドゥースト
正直で親切で誰にでも親しくして、貧しい人には施しをする男ドゥースト(友)が旅の途中でドシュマン(敵)という男にあった。二人は一緒に旅をするようになり、ドシュマンの提案で先にドゥーストの食料をわけあって食べることにした。しかしドゥーストの食料がなくなってもドシュマンが自分の食料をわけようとしなかった。ドゥーストは別々に旅をすることにして別れた。
ドゥーストは壊れかけた粉ひき小屋にとまったとき、ライオンとトラとオオカミとキツネの話するのを聞いた。その情報からドゥーストは金貨を手に入れ、王様の娘と結婚して、すばらしい土地をてにいれる。
そのごドシュマンと再会するがドゥーストの話を聞いたドシュマンは自分も粉ひき小屋に行くが、話を聞かれたことを知っている動物たちはドシュマンを見つけて殺してしまった。
ドゥーストは末永く幸せに暮らした。

子どもに語る アジアの昔話〈2〉

子どもに語る アジアの昔話〈2〉

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: こぐま社
  • 発売日: 1997/02
  • メディア: 単行本



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